2011年3月17日(NO.11)
前回の弁護団通信から,この間における活動状況について,御報告を致します。
破産開始決定がなされているアーバンエステート等について,平成23年2月15日午前10時より,東京地方裁判所にて,アーバンエステートについて第5回債権者集会(財産状況報告集会),大山伸吾らについて第3回債権者集会(財産状況報告集会)がありました。
そこで,当弁護団からも弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので,その内容について,以下のとおり,ご報告します。
<日 時>
平成23年2月15日 午前10時〜午前10時半頃
<参加者>
担当裁判官1名(高木茂弁護士),及び補助となる代理人4名,債権者30名程度
<内 容>
前回債権者集会後の状況につき,破産管財人の高木弁護士らにより説明がありました。
現在,破産管財人が収集している財産及び支出した内容については,全件について,金額としては,前回の集会とほぼ変わりはありません。
ポイントとしては,以下のような状況です。
【アーバンエステートに関して】
・粉飾決算に関して,更正手続を行ったことで,約1億8000万円の還付がなされることになったが,反対に滞納税金が約3億円あるため,実際の還付にはつながっていないことは,従前どおりで,現在,その不服申立の審査中であること
・三井及び谷本(永井)聡子に対する裁判が続いており,4月ころに,尋問手続が予定されており,その後,再度,和解の話になるか,判決となるか,どちらにしても,主張の整理は,概ね終わってきているとのこと
・あらたに,シルクに対して,備品購入・従業員給料の立て替え分があることから,訴訟を提起したこと(預金80万円弱を仮差押えしていること)
・前回の債権者集会では,進行等に関して,今回の集会にて,一定の報告ができるのではないかということでしたが,どうやら,まだまだ続きそうであること
【大山伸吾らに関して】
・基本的には,大山伸吾,泣pーソクリエーションらに,何ら財産と言えるようなものがないこと
・大山から配偶者に支払われた保険解約返戻金については,ある程度の返金を求めていたが,現在まで,全く用意ができていないが,引き続き求めていくこと
<次 回>
平成23年6月6日午前10時から
なお,報告の内容に,変化は少ないですが,他方で,集会の参加者も減ってきています。本件を軽視されないためにも,お時間がある方は,一度,集会に参加されてみると様子も分かり,よろしいかと思います。
役員及び従業員らに対する損害賠償請求裁判の第7回口頭弁論期日が,平成23年3月9日午前11時,さいたま地方裁判所において開かれました。
この期日では,破産手続において,破産管財人が,取締役らの法的責任をしている裁判での資料を取り寄せ,整理し,本件裁判の証拠として提出するとともに,従業員らに関する責任ついても,理論的な主張に加えています。
この点,従業員らの責任は,単にアーバンエステートの破綻を認識していた,又は,認識し得たのかという点に焦点があたっているのですが,我々は,今回の破綻は結果の1つであり,破綻の有無にかかわらず,そもそも,従業員らの皆様方への説明が適切であったのか,とりわけ完成保証制度の内容(さも完成全てが保証されているかのような説明)や早期入金を促す際の説明(多くの人に特典が,さも限定的な特別かのような説明をしながら早期入金を促しているなど)において不適切な発言があったという点も責任追及の根拠にしています。裁判所や従業員らの代理人弁護士は,その点を十分理解していないかのような発言をしていると思われるところです。
今後,原告となっている方々には,既に,ご事情は,お聞きしているところですが,その事情を裁判所宛の手紙のようなもの(正式には,「陳述書」といいます。)を作成し,証拠として,提出していくこととなりますので,各担当弁護士からご連絡が行くかと思いますので,ご協力のほど,よろしくお願い致します。
なお,現在,上記永井らの逮捕後の刑事記録等の資料を確認すべく,調整中です。
次回期日は,平成23年6月8日午前10時30分からとなっています。
シールドエージェンシー及び代表取締役に対する損害賠償請求裁判の第8回目の期日となる弁論準備期日が,平成22年11月8日午後3時,さいたま地方裁判所において開かれました。
被告であるシールドエージェンシー側は,今度は,本当に支払をしているのか,それが請負代金に関するものなのか,工事の施工状況に間違いがないのかなど,こちら側の主張に対して,現在の資料のみでは分からない点があると,その真偽を疑っているところがあります。
そこで,現在,相手方の主張を精査していますので,場合によっては,原告となっている方々には,新たな資料提供や事情の聴き取りにご協力をお願いすることとなるかと思いますので,その際には,よろしくお願い致します。
次回期日は,平成23年2月1日午後3時からとなっています。
《前回通信における次回期日の訂正》
前回の報告書で,次回期日を平成23年2月9日午前11時と御報告していますが,次回期日は,平成23年3月9日午前11時からでしたので,お詫びして訂正致します。
シールドエージェンシー及び代表取締役に対する損害賠償請求裁判の第9回目の期日となる弁論準備期日が,平成23年2月1日午後3時,さいたま地方裁判所において開かれました。
こちらからは,原告となっている方々の個々の状況についての補充をしているところです。他方,被告であるシールドエージェンシー側は,破産管財人に状況を確認したいが,連絡がつかないとのことで,その確認待ちとなっています。
本件は,あまり長引かせたくないのですが,裁判所も認定をするにあたって,1つ1つの事実を確認していることもあり,曖昧のまま進めていけないところもあります。
次回期日は,平成23年3月24日午前11時30分からとなっています。
破産開始決定がなされている永井昭四郎について,平成23年3月17日午後3時30分より,東京地方裁判所にて,第6回債権者集会(財産状況報告集会)がありました。
そこで,当弁護団からも弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので,その内容について,以下のとおり,ご報告します。
<日 時>
平成23年3月17日午後3時30分〜午後3時45分ころ
<参加者>
担当裁判官1名,破産管財人1名(廣渡鉄弁護士),破産者側として代理人1名(永井昭四郎は勾留中),債権者10名程度
<内 容>
従前同様,破産管財人の廣渡鉄弁護士より,説明がありました。
相変わらず,不明金2000万円+7〜800万円についてや,アーバンエステートからの資金流出等の不明点があることから,手続としては,継続調査となりました。
今回の報告では,新たな資金不明点として,アーバンエステートで,顧客からの契約金の一部を破産者があずかっていたという事実があったようで,「会長現金出納帳」という帳簿によって管理していたところ,平成21年3月23日時点の残高は,金1570万9975円であったものの,そのお金の所在が不明となっている点です。
永井の説明に因れば,約869万円は,工事業者に支払った,約606万円は,アーバンエステートの破産管財人に渡したとのことですが,差額約95万円が不明であり,その点についての調査もしていきたいとのことです。
<次 回>
平成23年6月22日午前11時10分から
本件は,被害者の方も非常に多く,個別のお問い合わせに必ずしも十分な対応ができていな点があるかもしれません。仮に,そのような点がございましたら,お詫び致します。
当弁護団としましても,被害者の皆さん方全員のにとって,少しでも被害回復につながるように,今後とも活動をしていきたく思っておりますので,ご協力のほど,よろしくお願い致します。
以上,ご報告まで。
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