2010年2月15日(NO.5)
  前回の弁護団通信から,この間における活動状況について,御報告を致します。
●役員従業員らに対する裁判


 《第2回口頭弁論期日報告》

 役員及び従業員らに対する損害賠償請求の第2回口頭弁論期日が,平成22年1月20日午前11時,さいたま地方裁判所において開かれました。

 期日では,原告となっている被害者が勧誘を受けた状況を補充するとともに,これまでに収集できたアーバンエステートの経営状況の悪さを裏付ける証拠として,アーバンエステートの破産管財人が債権者集会で配布した資料,税金の滞納状況,下請けからの督促,その他,平成19年12月期で13億5300万円の営業損失があったにも係わらず,平成20年2月に5400万,3月に7700万円,4月と5月に6400万円,6月から10月まで毎月9000万円,月に1億円,12月に1億6000万円を超える無謀で莫大な宣伝広告費の支出(予定)していたことの資料などを証拠として撮出しました。

 また,本来,出来高に応じて請負代金を徴収すべきだったことについて,これまでも日本弁護士連合会などからも提言されていたことに資料なども提出し,如何に,アーバンエステートが,皆さんから先払いを迫り,受領した金員を保管することなく,経費に使用してきたのかにつき,裁判所に分かって頂こうとしています。

 現在,原告となっている被害者の方には,再度,ご事情をお聞きし,その勧誘状況などを補足しています。人数も多く順番に行っている状況です。
 裁判は,これから,まだまだ時間がかかりますが,裁判所には,1つ1つ,この被害の状況を分かって頂こうと思っています。

 次回期日は,平成22年4月7日午前11時からとなっています。
●シールドエージェンシーに対する裁判


<第1回及び第2回口頭弁論期日報告>

 シーールドエージェンシー及び代表取締役に対する損害賠償請求の第1回口頭弁論期日が,平成22年1月29日午後1時30分,そして,第2回口頭弁論期日が,同年2月12日午前10時,さいたま地方裁判所において開かれました。

 第1回期日において,被告であるシールドエージェンシー,その代表取締役及び両者の代理人はいずれも出頭せず,その代わりに,答弁書を提出し,その中で,こちらの請求を棄却することを求め,また,こちらの保証債務を履行せよという主張に対しても,「本件(保証)の契約形態は,シールドエージェンシーとアーバンエステートとの問で締結される第三者のための契約であって,シールドエージェンシーが施主との問で契約を結んだこともなければ,施主に保証料を請求したこともなく,また施主に対して広告その他の営業活動を行ったこともない」ことなどを主張してきました。

 そして,第2回期日では,シールドエージェンシー側が,上記事実に基づく主張の補足をしてきたことから,こちらとしては,次回期日までに,シールドエージェンシーの主張に対するさらなる反論をするための検討を行うとともに,皆さまからお預かりしている資料から,裁判所に提出するための証拠の選別等の準備を行ってまいります。

 次回期日は,平成22年4月6日午後3時からとなっています。
●アーバンエステートの第2回債権者集会


 破産開始決定がなされているアーバンエステートについて,平成22年2月15日午後1時30分より,東京地方裁判所にて,第2回債権者集会(財産状況報告集会)がありました。

 そこで,当弁護団からも団長をはじめ弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので,その内容について,以下のとおり,ご報告します。

<日時>
平成22年2月15日午後1時30分〜午後1時45分ころ

<参加者>
担当裁判官1名, 破産管財人1名(高木茂弁護士)及び補助となる代理人3名,債権者60名以上

<内容>
 第1回債権者集会後の状況につき,破産管財人の高木弁護士らにより説明がありました。
 現在,破産管財人が収集している財産及び支出した内容については,前回の集会とほぼ変わりはありません。

 今後は,アーバンが虚偽申告をしていた関係で,税金の更正請求を行っており,約1億円の還付を受けることを目標に交渉をしていくことが報告されました。

 また,役員らへの責任追及としては,三井に対しては約8867万円,谷本(永井)聡子に対しては約1億3267万円の損害賠償の査定に対して,両名が不服を述べ,現在,訴訟が続いている状況です。また,その他の役員等にも責任追及をしており,櫻井朋子との間で和解が成立して400万円を回収したことが報告されました。

<次回>
平成22年6月1日午前10時から
●永井昭四郎の第2回債権者集会


 破産開始決定がなされている永井昭四郎について,平成22年1月20日午後3時00分より,東京地方裁判所にて,第2回債権者集会(財産状況手段告集会〉がありました。

 そこで,当弁護団からも団長をはじめ弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので,その内容について,以下のとおりご報告します。

<日時>
 平成22年1月20日午後3時00分〜午後3時30分ころ

<参加者>
 担当裁判官1名,破産管財人1名(廣渡鉄弁護士),破産者側として永井昭四郎本人と代理人1名,債権者10名程度。

<内容>
 第1回債権者集会後の状況につき,破産管財人の廣渡鉄弁護士より,説明がありました。
 前回からの大きな変化は,永井が所有していた福岡市西区所在のマンションを売却処分が完了した点にあります。ただ,売却金額490万円に対して,既に,税金の差押え等がなされていたものと思われ,売却代金から,合計金296万2114円の支出が必要となったとのことであり,結果,200万円程度の増幅でしかありません。詳細については,配布されました資料(財産目録及び収支計算書財産目録・賃貸借対照表及び収支計算書)に記載されているとおりです。

(※配布資料をご覧いただくためには、Adobe Reader(無料)が必要です。)

 また,新たに,フィリピンに永井名義の口座があることが分かったとのことであり,現在,調査中とのことでした。この口座の存在は,永井から申告されていなかったものであり,他にも隠し財産がある可能性はあります。
 また,前回の集会でも問題になった破綻直前の2000万円の不明金についても,新たな情報がないとのことです。

 破産管財人には,警察のような捜査権はないため,破産管財人も正直に申告をしてこない永井への対応に苦慮されているようです。
 破産管財人としては,引き続き,フィリピンの口座の状況など,可能な範囲で調査をされていくとのことです。

 なお,現在の収支状況が,約400万円であるのに対して,破産手続で優先される公租公課(税金等)の滞納が,約556万円ほど存在しますので,数千万円以上の財産が発見でもされない限り,皆さんへの配当には,つながらないかもしれません。
 それでも,少しでも,永井への責任追及という観点において,弁護団としても,破産管財人に協力をしていきたく思っています。

<次回>
 平成22年4月14日午後2時30分から


 
 本件は,被害者の方も非常に多く,個別のお問い合わせに必ずしも十分な対応ができていな点があるかもしれません。仮に,そのような点がございましたら,お詫び致します。

 当弁護団としましても,被害者の皆さん方全員のにとって,少しでも被害回復につながるように,今後とも活動をしていきたく思っておりますので,ご協力のほど,よろしくお願い致します。

 以上,ご報告まで。


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