2012年5月23日(NO.15)
  前回の弁護団通信から,この間における活動状況について,御報告を致します。
●アーバンエステートの第9回債権者集会  大山伸吾の第7回債権者集会


 破産開始決定がなされているアーバンエステート等について,平成24年5月14日午前11時より,東京地方裁判所にて,アーバンエステートについて第9回債権者集会(財産状況報告集会),大山伸吾について第7回債権者集会(財産状況報告集会)がありました。

 そこで,当弁護団からも弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので,その内容について,以下のとおり,ご報告します。


<日 時>
平成24年5月14日午前11時〜午前11時15分ころ

<参加者>
担当裁判官1名
破産管財人1名(高木茂弁護士)及び補助となる代理人数名
債権者10名程度

<内 容>
 これまで同様に,前回債権者集会後の状況につき,破産管財人の高木弁護士らにより説明がありましたが,基本的に,変化はありません。
 現時点で,破産手続が継続しているポイントとしては,以下のような状況です。
 

【アーバンエステートに関して】

アーバンが粉飾決算によって払いすぎた2億円について滞納税金があるため還付を受けられない問題について,前回お伝えしたとおり,行政訴訟により争うことを諦め,今回アーバンの滞納税金に充当されたこと

谷本に対する約1億円の支払を命じた判決について,回収可能性が乏しいとして,債権譲渡を検討していること

シルクに対する裁判は第一審において勝訴したことから,仮執行宣言に基づき80万円を回収し,控訴審でシルクと和解が成立し,さらに100万円の回収が出来たこと

三井に対する裁判は,昨年12月22日に,約8000万円の支払を命じる判決がでた(ほぼ請求額通り)が,平成24年1月6日付けで三井から控訴され,平成24年5月31日の控訴審の判決待ちであること

なお,三井に対する第一審の判決に基づき,三井の預金債権12万円を回収したこと

三井及び谷本に対する債権を第三者へ譲渡することを検討しているが,三井については,更なる回収の可能性もあるので,財産について引き続き調査中であること

三井に対する裁判と三井からの金員の回収が済めば,債権者集会もほぼ終わりになると思うとのこと



【大山伸吾に関して】

大山から配偶者に支払われた保険解約返戻金については,100万円が財団に組み入れられたが,残りおよそ33万円については現時点でも組み入れがされていないが,引き続き組み入れを求めていくこと

大山は,今後もアーバンエステートに関する裁判に協力を求めていくとのこと


<次 回>
平成24年9月18日午前10時から

 ところで,まもなく破産手続を終了させる意向であることは聞いております。
 これまでに回収できた金員について,どうなるかという点があります。
 現在,破産管財人から財団債権(皆さん方の損害額)に関する調査等が行われているようですが,今後,配当があるかどうは未定です。配当がなされないで終了可能性もあるようです。

 なお,重ねてのお願いとなりますが,集会の参加者も減ってきています。本件を軽視されないためにも,お時間がある方は,一度,集会に参加されてみると様子も分かり,よろしいかと思います。別に,発言等をする必要はありません。
●役員,従業員らに対する裁判《第13回・第14回目の期日報告》


 役員及び従業員らに対する損害賠償請求裁判の第13回目,第14回目の期日が,平成24年3月26日午後1時30分,同年5月17日午後3時,さいたま地方裁判所において開かれました。

 これまでご報告してきましたとおり,引き続き,尋問に向けた整理をしており,次回期日にて,正式に,尋問予定を決めるということとなりました。

 この流れですと夏ぐらいから,約半年程度を要して,尋問をしていくこととなるものです。

 かなり大変な手続となりますが,弁護団としても,皆様方のご協力を得つつ,進めていきたいと思っておりますので,ご協力のほど,よろしくお願いいたします。

 次回期日は,平成24年6月25日午前11時30分からとなっています。
 
●シールドエージェンシーに対する裁判≪第18回〜20回目の期日報告≫


 シールドエージェンシー及び代表取締役に対する損害賠償請求裁判の第18回目,第19回目,第20回目の期日となる弁論準備期日が,平成24年3月19日午前11時,同年5月8日午前11時,同月23日午前11時,さいたま地方裁判所において開かれました。

 そこで,判決に向けて,シールドエージェンシー,及び,その代表者の責任に関して,双方が,その主張をまとめ,次回(6月15日午前10時30分から),代表者への尋問が予定されています。

 また,和解をされた方については,和解金入金確認がされましたら,お預かりしている保証書については,シールドエージェンシーとの保証契約がなくなった以上,その原本をシールドエージェンシー側に返還することとなりますので,その準備もしております。

 次回期日は,平成24年6月15日午前10時30分からとなっています。
●永井昭四郎の第10回債権者集会


破産開始決定がなされている永井昭四郎について,平成24年5月16日午前10時より,東京地方裁判所にて,第10回債権者集会(財産状況報告集会)がありました。
 そこで,当弁護団からも弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので,その内容について,以下のとおり,ご報告します。

<日 時>
平成24年5月16日午前10時〜午前10時20分ころ

<参加者>
担当裁判官1名
破産管財人1名(廣渡鉄弁護士)
破産者側として代理人1名(永井昭四郎は勾留中)
債権者6名程度(弁護団+アーバンの管財人側程度)

<内 容>
 従前同様,破産管財人の廣渡鉄弁護士より,説明がありました。
 永井自身が,未だ拘留中で刑事手続きの関係もあり,資産調査も進まず,財団に増加もありません。

 新しく以下の2点の報告がありました。
 
@  ゴミと間違えて捨ててしまったとされている2000万円+7〜800万円について,警察に対して遺失物届けが出されているが発見されていないということでした。
 また,管財人から永井に対して質問をしたところ,永井から次のような回答があったそうです。


3月11日に2000万円を引き出し,3月27日ころ紛失した。紛失するまではトランクの中に入れていた。

トランクの中に2000万円もの現金を入れていることは不自然ではなく,アーバンエステートで契約を締結し,現金で受領することがあり,1週間で1000万円から2000万円程度自分が集金することがあった。

集金したお金は,永井自らが最寄りの夜間金庫に入れていた。
その場合には現金はトランクに置いており,日によっては夜間金庫に入れることを忘れることもあった。

A  永井が中国の上海の銀行に口座を持っているという情報があり,口座をもっていること自体は本人も認めているが,今回,捜査関係者から残高がないと思われるという報告が入ったとのことです。

 なお,永井の代理人弁護士から,永井の刑事裁判については,未だ公判前整理手続を行っているが,裁判所としては,第1回の公判を,今年の9月ころから始めたいと考えているとの報告がされていました。

 また,破産管財人としては,一部の債権者から調査を続行して欲しいという希望があること,アーバンエステートの破産手続も終盤であり,その中で永井の個人資産が発見される可能性がないとは言えないことから,今後も調査を続行したいが,それほど長期間調査はせず,次回期日にて,本破産手続を終了させることも考えているとの報告もされています。

確かに,この手続としては,これ以上の進展は難しいかとも思われるのではないかというのが,弁護団の認識でもあります。


<次 回>
平成24年9月5日午前10時00分から

 本件は,被害者の方も非常に多く,個別のお問い合わせに必ずしも十分な対応ができていな点があるかもしれません。仮に,そのような点がございましたら,お詫び致します。

 当弁護団としましても,被害者の皆さん方全員のにとって,少しでも被害回復につながるように,今後とも活動をしていきたく思っておりますので,ご協力のほど,よろしくお願い致します。

 以上,ご報告まで。


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