２０１１年１０月２７日（NO.１３）
前回の弁護団通信から，この間における活動状況について，御報告を致します。
破産開始決定がなされているアーバンエステート等について，平成２３年１０月１８日午前１０時より，東京地方裁判所にて，アーバンエステートについて第７回債権者集会（財産状況報告集会），大山伸吾について第５回債権者集会（財産状況報告集会）がありました。
そこで，当弁護団からも弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので，その内容について，以下のとおり，ご報告します。
＜日 時＞
平成２３年１０月１８日午前１０時～午前１０時３０分ころ
＜参加者＞
担当裁判官１名
破産管財人１名（高木茂弁護士）及び補助となる代理人数名
債権者１０名程度
＜内 容＞
これまで同様に，前回債権者集会後の状況につき，破産管財人の高木弁護士らにより説明がありましたが，基本的に，変化はありません。
現時点で，破産手続が継続しているポイントとしては，以下のような状況です。
【アーバンエステートに関して】 ・ 粉飾決算に関して，更正手続を行ったことで，約１億８０００万円の還付がなされることになったが，反対に滞納税金があるため（現時点までの交付要求額で約８億７８００万円），実際の還付にはつながっていないことは，従前どおりで，その不服申立を行っていたが，これが棄却されたこと
その後は行政訴訟の手段もあるが，勝訴の可能性については厳しい見込みであり，これから訴訟提起するかについては，管財手続が長期化していることもあり，なお検討中であること・ 谷本（永井）聡子に対する裁判は，７月２１日に破産管財人勝訴（１億２６３６万５８２５円）の判決が出され，８月１１日に確定したが，谷本からの支払はなく，未だ回収の目処は立っていないこと ・ 三井に対する裁判は，８月４日に拘置所で永井昭四郎及び三井の尋問が行われたとともに，９月２９日には大山，沼田（経理），昭四郎の秘書の尋問が行われ，１２月２２日に判決予定であること ・ シルクに対する裁判（備品購入・従業員給料の立て替え分として，預金８０万円弱を仮差押え済み）については，１１月１２日に尋問が予定されていること
【大山伸吾に関して】 ・ 大山から配偶者に支払われた保険解約返戻金については，１００万円が財団に組み入れられたが，残りおよそ３３万円についても引き続き組み入れを求めていくこと ・ 大山は，今後もアーバンエステートに関する裁判に協力を求めていくとのこと
＜次 回＞
平成２４年１月３０日午前１１時から
なお，重ねてのお願いとなりますが，集会の参加者も減ってきています。本件を軽視されないためにも，お時間がある方は，一度，集会に参加されてみると様子も分かり，よろしいかと思います。別に，発言等をする必要はありません。
役員及び従業員らに対する損害賠償請求裁判の第９回口頭弁論期日が，平成２３年７月２７日午前１１時，第１０回口頭弁論期日が，同年１０月１２日午前１１時３０分，さいたま地方裁判所において開かれました。
前回，御報告致しましたとおり，裁判長の交代があり，現在，裁判の進行についての段取りを決めているところです。
これは，前回の弁護団通信でも御報告致しましたとおり，本件当事者が，非常に多いために，本件の審理において，必要な範囲を吟味するためでもあります。
もちろん，この間に，役員らに関する管財人裁判で使用された証拠関係の調査等を行い，本件訴訟においても必要な証拠の提出など，相手方らとの間で，その法的責任に関する主張をしているところです。
次回は，これまでの主張を整理しつつ，今後の進行として，永井らの刑事裁判の進行も踏まえつつ，この裁判では，誰を尋問の対象とするかなどを調整していくことになっています。弁護団としては，できるだけ多くの当事者から事情を聞くべきだと考えておりますが，関係者全員を尋問の対象としていますと裁判が，今後も，非常に長期化することも予想されることから，誰を尋問するかの選別は，重要な課題として，現在，検討しているところです。
次回期日は，平成２３年１２月５日午前１１時３０分からとなっています。
【重要なお知らせ】
現在，弁護団がアーバンエステートの元役員・元従業員らに提訴している裁判については，まだまだ審理が継続しているとおり，決して簡単な裁判ではないこともあり，弁護団としては，弁護団依頼者全員を原告とした裁判をすることまでは，不可能だと判断しております。
そこで，弁護団としては，弁護団依頼者のうち，責任追及が少しでもしやすいと考えられる契約時期が平成２０年１２月以降の方を中心に原告として選別して提起しています。
そして，この裁判の結果，仮に，いくらかの金員の回収ができた場合には，弁護団依頼者全員のために，それら金員を分配する予定ではあります。このことは，弁護団通信№１にても，御報告しているとおりです。
他方，アーバンエステートが経営破綻を明らかにした平成２１年３月より，来年３月にて３年を経過することとなります。
そのため，原告となられていない方については，平成２４年３月をもって，消滅時効期間が到来し，今後，個別にアーバンエステートの元役員・元従業員らへの責任追及ができなくなる可能性があります。
そこで，仮に，原告となられていない方において，自分も裁判を提訴したいという場合には，遅くとも平成２４年３月以前に，弁護団以外の弁護士に依頼をするなどの方策をとられる必要がありますので，その点，ご注意ください。
もし，ご不明の点があれば，弁護団宛に御連絡ください。
シールドエージェンシー及び代表取締役に対する損害賠償請求裁判の第１２回目，第１３回目，第１４回目の期日となる弁論準備期日が，平成２３年７月１１日午前１１時，同年９月５日午後３時，同年１０月６午後４時，さいたま地方裁判所において開かれました。
既に，法的な主張は，概ね，出揃っており，このまま判決となったとしても，その回収可能性が不透明でもあることから，現在の和解により解決ができるかどうかについて，裁判官も交えて，相手方代理人と折衝をしているところです。
この点，相手方代理人の体調不良による入院等により，若干，長引いたところがありますが，原告となられている方々には，個別に，最終的な和解に関する意向を確認しております。
シールドエージェンシーに対する裁判は，アーバンエステートの役員らに対する裁判とは異なり，個別依頼者ごとの裁判となりますので，和解に応じる方，応じない方，それぞれの意向による解決となります。
もっとも，弁護団としても，和解による解決と判決による解決のいずれが望ましいかまでは，現時点では不確定な部分もあるとともに，和解による解決を希望されない原告となられている方々もおられるとは思っておりますので，和解の折衝と並行して，判決に向けての審理の準備もしているところです。
次回期日は，平成２３年１１月２９日午前１１時３０分からとなっています。
破産開始決定がなされている永井昭四郎について，平成２３年１０月１９日午前１１時３０分より，東京地方裁判所にて，第８回債権者集会（財産状況報告集会）がありました。
そこで，当弁護団からも弁護団所属の弁護士が参加をしてきましたので，その内容について，以下のとおり，ご報告します。
＜日 時＞
平成２３年１０月１９日午前１１時３０分～午前１１時３７分ころ
＜参加者＞
担当裁判官１名
破産管財人１名（廣渡鉄弁護士）
破産者側として代理人１名（永井昭四郎は勾留中）
債権者６名程度
＜内 容＞
従前同様，破産管財人の廣渡鉄弁護士より，説明がありました。
永井自身が，未だ拘留中で刑事手続きの関係もあり，さほど進んでおりません。
しかしながら，今後，なんらかの事情で，隠匿財産が見つかった場合を考えると現状で，破産手続は終えられないとのことから，手続を続けることになっています。
手続も長期化しており，破産管財人としても，かなりのご苦労をされていることかと思います。
現状で，不明なことは，以下の点です。
① ゴミと間違えて捨ててしまったとされている不明金２０００万円＋７～８００万円 ② 顧客からの契約金の一部を預かっていたとされる「会長現金出納帳」という帳簿の使途不明金約９２万円
→永井の説明では，はっきり覚えていないというだけであり，今後，他の帳簿等から追及ができないかを検討中③ 今回の集会で報告があったことですが，永井が実質的経営（H20.8～H21.3）をしていた㈲シルク（キャバクラ）での下請け業者に買わせていたパーティー券の売上（多い月で約５４０万円）
→現状で，明確な隠し財産に結びつくものは発見されていないとのことですが，今後，アーバンエステートの破産事件での情報等も踏まえて，検討予定
なお，永井の刑事裁判については，未だ公判前整理手続を行っており，第１回の公判は，来年の２月，３月ころとの報告がされていました。
＜次 回＞
平成２４年２月１日午前１０時００分から
本件は，被害者の方も非常に多く，個別のお問い合わせに必ずしも十分な対応ができていな点があるかもしれません。仮に，そのような点がございましたら，お詫び致します。
当弁護団としましても，被害者の皆さん方全員のにとって，少しでも被害回復につながるように，今後とも活動をしていきたく思っておりますので，ご協力のほど，よろしくお願い致します。
以上，ご報告まで。
